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メンテナンス日記

汚れちまつた悲しみに

2022-12-15
こんにちは。急に真冬が到来して、体がついていかないタカバヤシ(43)です。
11月はポカポカ陽気で気を緩めていたら、12月に入っての極寒。先日は小5息子の試合応援で大分県中津市へバイクで行ってみたら、凍えて死にかける経験をしました。ヒートテックが大切と身をもって知りました。
世間では、サッカーワールドカップの明るい話題で盛り上がりを見せています。W杯についてはまた後日。

さて、今回は「汚れちまつた悲しみに」と、かの有名な中原中也の一説から始まるエピソード。

ある晴れているけれど、空気はひんやりとした日の午後。
売上多めなランドリー案件のホテルさんへ訪問し、硬貨が容量を超えて詰まる前に回収。併せて乾燥機・洗濯機を清掃する業務を行っている際に悲劇は起きました。乾燥機の扉を開けた途端「ガターン!」という音と共に落ちていく乾燥機の扉。慌てて支えた私は指を負傷。
冷静に確認しますと、扉の根元にあるネジがおバカさんになり、欠落してしまっている状況です。どう考えても、意図をもって何かしらの力を誤った方向へ加えない限り、このような壊れ方にはならないと思うのです。
地上8Fの少し空いた窓から吹きすさぶ、冬の乾いた風が、乾燥機の扉を支え、見つめる私を通り過ぎていきます。

扉の根元から外れてるやん!
ネジ締めても元に戻らんとですよねー。
「汚れちまった悲しみに、今日も小雪の降りかかる」

その時頭をリフレインしたのが、中原中也の一節でした。
埃まみれになった自身の手に。顔も知らない誰かの悪意に。外の晴れ晴れとした空と仄暗い部屋内の相反する状況に。窓から入る冷たい風に。

「汚れちまつた悲しみに、今日も風さへ吹きすぎる」


さて、ここでフットボールで培った認知・判断・実行をまたもや発揮します。
○車に工具を取りに行き、その場で修理を試みるも修理不可と判断。
○このまま「使用禁止」の張り紙をして、明日に対応するか?⇒翌日は予定が入っているので不可。
○このまま会社へ戻り予備機を載せて再度来るか?⇒この後も訪問予定があるので不可。
○会社予備機を使って誰かに即日交換対応してもらうか?⇒忍びないなぁ。心苦しいなぁ。

という訳で他メンバーで恐る恐るヘルプの連絡。会社で事務処理をしていた古賀が快くOKをくれまして、ホテルさんには事情を説明し、本日中の対応として後にしたのでした。
ホント古賀さんありがとうございました。助かりました。この場所を借りてお礼を。帰りも暗くなっていたしで、申し訳ありません。

利用回数が多いランドリーは売上の良さから嬉しくもなりますが、不特定多数の方が使用されるので、思いもよらぬ使用方法での故障が散見されるのも事実です。世知辛いと言いますか、人の闇と言いますか。あなたの常識、非常識!なのか。

冬になると周りの環境に左右され、何に対してもセンチメンタルな心情になりがちですね。
身も凍える空気、どんよりとした空。ここでポジティブに明るく過ごせると良いのですが。いや、過ごしますけども。

「汚れちまつた悲しみに」の最後の一節は、「汚れちまつた悲しみに なすところもなく日が暮れる…」です。
人間無力だぜと。どんだけ憂いても成す術もなく日が暮れていくんだぜと、これまた中原中也も諦めの境地!

いや、私はその中でも足掻きたいと。準備に力を注いで「ここぞ」という時に力を発揮できるよう努めたいと思います。
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